令和2年度教化指導員研修会

 令和3年2月25日松江市宍道湖温泉「すいてんかく」に於いて教化指導員研修会を開催いたしました。世界中を巻き込んだ新型コロナウイルス感染症の影響により昨年6月に開催予定だったこの研修会を感染予防策を講じた上で8カ月経ってからようやく開催に至りました。感染拡大防止に鑑み、通常1泊2日の課程を半日に短縮し、web会議アプリを使用してのオンライン参加との併用にて開催いたしました。現地参加者22名オンライン参加者21名と合わせると例年程の参加人数になりました。 

 講師には大本山永平寺吉祥閣副監院兼布教部主幹兼人権擁護推進室次長(研修会開催当時)三重県廣禅寺御住職 武内宏道老師に「辦道の好機」ー禅師様のお言葉よりーと題しご講義いただきました。
特に講義の中で武内老師ご自身が安居中も含め関わってこられた、4代にわたる歴代禅師様の印象に残るお言葉やエピソードをお話くださいました。その中にはどんなに時代が変わろうとも大切にしなければならない珠玉の教えが込められ、宗侶としての行履を今一度正さなければと感じた講義でありました。

 人権学習には鳥取県モラルエデュケーター 法務省人権擁護委員の今度珠美氏にご講義いただきました。
 このコロナ禍で発生する新たな差別や偏見、そして自粛警察、私的制裁など法的根拠も人権も無視し世間が制裁を加える現状を避けるべく正しい情報を持つこと、不確かな情報は絶対に拡散しないよう情報の取扱いには注意するようお話くださいました。メディアから生まれる差別、偏見があることを認識し、情報の真偽を見極め、差別や偏見を防ぐために、正しい知識と歴史教育が必要と説かれました。また、人によって受け取り方の違う問題に対してメディアの発信がどちら側に立っていて、そうでない側からどう見えるかを考えるメディアリテラシーを高める事の重要性をお話くださいました。多くの人が利用するSNSと上手につき合うために初期設定を見直す事や、ネット上で知り合った人と安易に繋がらないまた、写真や動画を投稿する際には第三者に利用される可能性も考え慎重に行う等具体的なお話もいただきました。またこうしたSNSやネット上で人権侵害にあった時の対処法などもお話しくだいました。    
 人権問題は時代や社会変容の中で形を変え常に発生していくものであるため,我々も常に学習し知識の更新をしていく必要があると改めて感じた講義でありました。