平成26年度禅をきく会(曹洞宗主催10月8日於:鳥取県)

10月8日(水)鳥取県立倉吉未来中心に於いて、曹洞宗主催の禅をきく会が開催された。
イス坐禅では、宗侶6名が左右に分かれて面壁して坐す。そして、寺族2名が背中と背もたれとの離れ具合が分かるように向かい合って、宗侶2人は正面に向いてイスに坐していただいた。スクリーンには画像を映しだしながら、坐禅の作法や姿勢について説明し、その後参加者は約15分間、暫し心を落ち着かせイス坐禅を実践した。

講演では、作家・高野山真言宗僧侶の家田荘子氏をお招きし、「この世に生まれ、生きて、生かされて・・・」と題して、自身が行じておられる、四国八十八か所のお遍路を話の柱として、その時々にある苦しみ・悲しみを、取材やボランティアを通しての体験を交えてご講演いただいた。
作家として名が出た頃、云われ無きバッシングを受けた事に耐えきれず、精神的病気になるまで落ち込んだが、一つ一つこつこつと努力をしていれば、いつかきっと花が咲くことに気づいた。ボランティアでエイズ患者のお世話をしていた頃に子どもが生まれ、明日をも知れぬ患者さんが心から祝福してくれた時、慈悲の心について気付かされた。慈とは人と一緒に喜びを分かち合うこと、悲とは人の痛みが分かること、そういう生き方をしていきたい。
このような経験をきっかけに「駆け込み寺」を作りたく、得度を受けて僧侶となられた事などを話された。また、エイズ患者に対する偏見は無知から来る差別であり、これからも広く伝えていきたいなど、宗門の布教の柱である人権問題にも触れていただいた講演であった。

最後に、トークコンサート「今日のこころ 私のこころ」では、エレクトーン奏者の広原かおり氏による童謡を織り交ぜた心癒される演奏の中、ナレーターの中司弘子氏が毎週中国地方各地で放送しているラジオ法話より、地元鳥取県宗務所管内宗侶のお話を朗読された。加えて、各法話をイメージした情緒ある絵がスクリーンに映し出されることにより、それぞれが一体となって観衆に感動を与えられた。
参加者:600名